古記事 妻子を置き去りに 自転車の専門泥 S15.6.12 大阪朝日新聞滋賀版
「琵琶湖祭」を調べてからというもの古い新聞記事に嵌ってしまいました。
で、昭和15年6月12日の滋賀版からですが、「妻子を置き去りに 自転車の専門泥 徴兵忌避の男捕る」という見出しの記事です。興味を惹かれた点は「非国民」という言葉でした。リアルに使われているものに接するのは初めてではなかろうか、と思います。
長浜で逮捕された男(25)ですが、「二十歳の時、徴兵忌避の目的で家を飛び出し今なお徴兵検査をうけていない非国民で... ...捜査の手を逃れるため朝鮮人になりすましていたが一昨年...」と続きます。
昭和15年という年は太平洋戦争の前年ですが、すでに大陸では日中戦争が始まっています。またヨーロッパではこの記事の数日後にドイツ軍によりパリが陥落しています。
そのような時勢ですので、徴兵忌避は当然「非国民」なのでしょうが、いや、実際のところきっちりと使われている(新聞などでもという意味です)言葉だったんだなあ、と変に感心してしまいます。
とはいえ、この男に同情の余地はなく、罪を隠して婿養子に入り子供を二人ももうけていながら家を飛び出し自転車泥棒で逮捕、という顛末です。
「取り残された妻しず子さんは、罪の夫とも知らず毎日夫の帰りを陰膳据えて待っていたが、夫が捕らわれの身となったと聞いて泣き崩れている」と結ばれていますので、奥さんはまったく知らなかったのでしょう。この後、奥さんと子供がどうなったのか心配です。




